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【BRUNO WEDDING】皆さんが知りたかった、タキシードとスーツの違いについて。

タキシードとスーツの違いとは?素敵な男性はシーンに合った着こなしができていた!


「タキシードとスーツの違いって何ですか?」

私が新郎衣装のオーダーを担当させていただく際に、最も多いご質問がこの「タキシードとスーツの違いって何ですか?」です。言葉としては”タキシード”や”スーツ”は、当然皆さんも聞いたことがある単語ではあると思いますが、その違いを明確に答えられる方は数えるほどしかいらっしゃいません。中には新郎衣装の総称を”タキシード”と間違って覚えている方もいらっしゃいます。一般の方ならまだしも、貸衣装店のスタッフにもそういった方がいるのも事実。
今回は疑問に思っている方が非常に多い、「タキシードとスーツの違い」にまず焦点をあて、着こなし方や着用シーンについてもお話しさせていただこうと思います。

 

■早速スーツとタキシード違いを見ていきましょう!

タキシードとスーツ。どちらも男性がきちんと着ていると、とても素敵な佇まいとなります。そんなこちら2種類の服、似ているようですが、明確の違いがいくつもあります。それではその違いを早速、各部位ごとにわかりやすく解説してまいりましょう。

拝絹/はいけん (ラペル/衿)


まずは外見から誰もが気づくラペル/衿部分の違いです。スーツはラペルが体や腕の部位と同じ生地に対して、タキシードはシルクのサテン生地になっていることが一般的です。スーツと違いラペルがシルクになるだけで、とても華やかな印象になりますよね。
このラペルかつて照明がないような時代に、ラペルに光沢感を持たせ、夜間の祭典時にその反射を用いて少しでも顔が明るく見えるようにしたというような説もあるようです。
また、ラペルの形にもスーツとタキシードには違いがありますよね。一般的に通常のスーツは”ノッチドラペル”と言って、上襟と下襟の間のゴージラインが下方へ下がったデザインです。しかしタキシードは”ピークドラペル”と言って、ゴージラインが上方へ上がり、ラペルの先端が尖ったような衿型をしています。

他にも”ピークドラペル”とは別に、タキシードには”ショールカラー”と呼ばれる。丸みを帯びた衿型のデザインもあります。このショールカラーの際も、素材は例外なくシルクのサテン生地を用いることがタキシードの基本です。ちなにもピークドラペルとショールカラー、どちらが格が上などといったことは無いので、好みのデザインを着ると良いでしょう。

また、今回説明したタキシードのシルクサテンのラペルのデザインを”拝絹/はいけん”と呼びますので、ぜひ覚えてください!

 

側章/そくしょう


続きましてスーツとタキシードの違い。パンツの外見からすぐにわかる違いとして”側章/そくしょう”が挙げられます。
側章というのは、パンツの腰から裾にかけての、外側のライン(サイドシーム)に施された、シルクの飾りを指します。
スッキリとした1本のラインは、脚を綺麗に魅せる効果も期待できます。
この側章はスーツでは絶対に見られない仕様ですよね。

その他にもたくさんの違いが・・・。


・腰ポケット
スーツと違いタキシードは、腰ポケットの縁にシルクが施されており、またフラップもない。

・ベント
スーツには上着の背中側に動きやすさを考えられて作られたベント(裾の切れ目)がありますが、タキシードはベントがありません。これをスーツのセンターベントやサイドベンツに対して、”ノーベント”と呼びます。

・ベルトループ
スーツには当然のように取り付けられていますが、正式なタキシードのパンツにはベルトループがありません。なぜならタキシードといったフォーマルな装いにカジュアルなベルトは合わせないからです。タキシード着用の際には、”サスペンダー/ブレイシーズ”が正解です。

・ボタン
スーツでは生地に合ったボタンを数多くの色や素材から選びますが、タキシードは、光沢のあるブラックのボタンか、本体の表生地と共地かシルクのくるみボタンが良いでしょう。

 

■スーツとタキシード 着用シーンの違い


スーツとタキシード。デザインが違えば着用シーンも異なります。素敵な男性はTPOに合った装い方を知っています。
この着用シーンの違いを深く理解するために、まず、フォーマルスタイルの種類や着用シーンにおけるルールについて簡単に知っておりきましょう!

・知っておくべき4つのフォーマル。


①モーニング 〜最上級の格式を表す昼間の正礼装〜
国家式典、主催する公的な行事、主賓として臨む結婚式などで着用。厳格なルールではデザインや着こなし、色柄まで大きく制限されますが、着丈が長く、きちんと締め上げたネクタイは凛々しさと優雅さを兼ね備えたスタイルです。

②ディレクターズスーツ 〜幅広い催しに対応する昼間の準礼装〜
モーニングの着丈が短くなったタイプがディレクターズスーツ。着こなし方はモーニングに準じ、昼間の各種パーティーや式典にふさわしいスタイル。

③テールコート 〜最上級の格式を持つ夜間の正礼装〜
燕尾服とも呼ばれ、国家主催のパーティー、舞踏会、主催する格式の高い結婚式などで着用。個人的にはノーベル賞の表彰式?晩餐会?で招待された皆が着用しているのが印象的。※基本的に着用シーンが少ないスタイルである。

④タキシード 〜パーティーの主役を張る夜間の準礼装〜
今回のブログのメインテーマであります、タキシード(写真)であります。厳格なルールにおいては夜間の準礼装となりますが、日本のウェディングシーン等では、その点に拘りすぎなくても良いと当店では考えております。
昼間の結婚式であっても、タキシードのデザインがお好みであれば、ぜひタキシードをご着用ください。ただ、こうしたルールがあることを知ったうえで、着用していることにフォーマルへの敬意、意味があると思います。

”タキシードは格式の高いシーンに着用”


フォーマルスタイルには、その場その場の格の高さによって、正礼装、準礼装、略礼装に分かれています。正礼装はすべてのアイテムのデザインからディテールまで厳密なルールがあり、アレンジが許される範囲は多くありません。
しかし準礼装、略礼装と装いのフォーマル度が下がるにつれて、ルールは穏やかになり、着崩したり、独自のセンスを魅せたお洒落を楽しむこともできます。
こうしたルールを理解したうえで、スーツとタキシードの着用シーンの違いをまとめると以下のようになります。
※以下の着用シーン例は、あくまで基本的な考え方だと思っていてください。少々高等テクニックとなりますが、コーディネートによって、タキシードをカジュアルダウンさせたり、スーツをドレスアップさせたりすることで、以下に当てはまらない、自由な着こなしを楽しめる場合もあります。

・スーツ
ビジネスシーン、プライベートシーン(カジュアルセットアップ)、ゲストとして参列する結婚式、かしこまった会食など

・タキシード
自分が主催する結婚式、格式の高いパーティーなど

 

■スーツとタキシードの着こなしの違い


スーツとタキシードのデザインの違い、着用シーンの違い。これまでのお伝えさせていただきました内容をもとに、さらに深掘りしてまいりましょう。
ここからは、スーツとタキシードの着こなしにおいての違い、コーディネートとしてアリか、それともナシなのかをお伝えできればと思います。

・蝶ネクタイ(ボウタイ)

タキシードといえば、真っ先にこのイメージが浮かぶでしょう。リボン状に結ばれた蝶ネクタイです。気軽に付けられるフックタイプと、一から自分で結ぶ本格的な手結びの蝶ネクタイもございます。
タキシードには蝶ネクタイを合わせるのがルールです。タキシードに通常のネクタイを締めるのは、絶対にNGです。時折アレンジコーディネートの紹介にて、タキシードに通常のネクタイを結んだものをネットにて散見されますが、”ハズし”ではなく完全に”ハズレ”ですので鵜呑みにされないようお気をつけください。
反対にスーツに蝶ネクタイのコーディネートはアリです。ドレスアップ効果があり、気軽に行けるパーティーへの参加の際に使われるアレンジコーディネートの好例です。

・ウイングカラーのシャツ

短い衿が上方との跳ね上がったような衿型のシャツです。テールコートやタキシード、モーニング着用の際に、合わせらるシャツです。ちなみにタキシードはウイングカラーシャツ加えて、レギュラーカラーのシャツとのコーディネートもアリです。
反対にスーツにウイングカラーのシャツはあまり見かけないように思います。

・サスペンダー/ブレイシーズ

タキシード着用の際は、パンツがずれ落ちるからと言って、腰にベルトを巻くのは完全にNGです。必ずサスペンダーにてパンツを吊るようにしましょう。また、サスペンダーがないからと言ってベルトを巻くくらいであれば、パンツに脇尾錠をつけて締めた方が良いでしょう。
スーツスタイルにおいては、ベルト、サスペンダーどちらも◎。

・カマーバンド・ジレ/ベスト

タキシードスタイルの際は通常、上着とシャツの間に、カマーバンドと呼ばれるシルクの腹巻や、ジレを着用することがルールです。カマーバンドは拝絹や側章と色を合わせると、全体的に色のバランスが良いコーディネートとなります。ジレはジャケットやパンツと共地であれば、フォーマル。生地を変えると少し和らいだ印象となります。
タキシードと違いスーツ着用時は、カマーバンドは絶対にNG。ジレは皆様もご存じ通りスリーピーススーツとしてご着用いただけます。

・シューズ

タキシードやテールコートには、それ専用のオペラパンプスというシューズがあります。夜会用のシューズ代表格であり、最もドレッシーなイメージです。エナメルのスリッポンタイプのシューズで、甲部分にはリボン飾りがある点が特徴です。
なかなかオペラパンプスは一般的ではありませんが、タキシードには表革のストレートチップ(メダリオンがない)が良く合います。このシューズであれば、ビジネスから最高位のフォーマルまで合わせられる汎用性があり重宝するでしょう。
もうお分かりだとは思いますが、スーツにオペラパンプスはナシです。

 

まとめ スーツとタキシードの違い


スーツとタキシードの違いは無数にある。外見から判断できるデザイン的な面だけではなく、TPOに合わせた着用シーンの選別は、大人の男にとって非常に重要なポイントとなる。
今回はスーツとタキシードの”違い”に焦点を当ててお話しさせていただきましたが、最後にスーツとタキシードの”共通点”を。
それは”どちらのウェア”も着こなしのルールや、サイズ感、コーディネートを極めると、真の男の魅力を十分に発揮させるだけの最高のパートナーとなり得るものなのです。
スーツの着こなし、タキシードの着こなし、迷った際にはぜひ当店にてお気軽にご相談くださいませ。

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